一ヶ月程前、夜中にコンビ二に買い物に行った。東京とはいえ 
東のはずれにある住宅地で、人通りはまるで無かった。 
大通りの角にあるコンビ二で用事を済ませ、オレンジの街灯の下 
自宅に向かって歩いていた時、女の子の声で 
「ふふふ」 
と笑い声か聞こえた。私はその瞬間こおりついた。 
相変わらず回りに人の気配は無い。ただそこで私は 
「人がいないのに笑い声が聞こえた」から怖がったのではなかった 
声の主は頭上、数メートル上のあたりにいるようなのだ 


そこで上を見る勇気もなく、私は足早に家に向かった 
数メートル先を左折、小さな坂を下り、数分後に右折して私の家 
その五分をかからない時間がおそろしく長く感じた 
最後の右折、ちょうど小学校の正門がある前で思った 

上にいる(いた?)何かを確認しなければ。ついてきたら困る 

数秒間迷い、決意して、足早に歩いて荒くなった息も整った頃 
思い切って上を見上げた・・・が見えなかった
その瞬間「何か」に頭を押さえつけられた 
同時に聞こえてきた女の子の声は言った 

「お母さん見つけた」 

・・・私は独身だし子供もいない 
(やばい・・・やっかいな霊に呪われる、とりつかれる) 
ダッシュで帰宅、両親を起して事情を話した 
一晩中家族が起きててくれて、朝までなんとか無事過ごした 


それから一ヶ月間、数時間ごとに笑い声が聞こえる 
もちろんその瞬間は上を向いても押さえつけられる 
お払いも効かず体調を崩し、ほとんど眠れない 

そこで昨夜、勇気を出してその声に向かって聞いた 

「人違いだよ、子供もいないし。いい加減にして」 

女の子の声はあきらかに怒っていた 

「生まれる前に殺したくせに」