かれこれ何年になるだろうか・・・ 
俺が学生時代の話だ。 
ニュースで「43歳の女性が投身自殺」というのが出てた。 
どうやらその女は踏み切りに飛び込んだらしい。 
その踏み切りはちょうど学校へ向かう途中に通る踏み切りだった。 
翌日、その踏切には警察官が数名現場検証のようなことをしていた。 
警官のうち一人は、踏切のほうに目をやってるため、 
踏切が閉まった後踏み切りを横切る人もいつもより少なかった。 
俺は警官がごちゃごちゃ話してるのを歩みを緩めて盗み聞きした。
「まったく、電車が来ているのに踏切を渡ろうとするからだ」 
「ああ、16歳だってのにな・・・被害者はあそこの高校の学生だろ?」 
あそこの高校とは俺が通ってる学校だった。 
それより俺は警官が昨日のニュースと違うことを言ってるのにびっくりした。 
確か中年のばばぁが轢かれたんじゃ・・・2件あったのかな 
俺はその時は大して気にしてなかった。
学校に着くと、友人に早速そのことを話した。 
そいつは「ばっかじゃねーの、電車に轢かれるなんてとろ過ぎ」 
と言った。そいつは昨日のニュースは見てないようだ。 
そして、その夜。俺はオカ板で有名な「降霊機」を使って遊んでいた。 
今日は両親共に居ない。 
恐怖も高まったその時・・・電話がけたたましくなった。 
一瞬ビクッとしてイスから転げ落ちそうになったが、何とか持ちこたえた。 
ナンバーディスプレイを導入している自宅の電話は「非通知」と表示していた。