27 本当にあった怖い名無し sage160コピペ 2007/04/21(土) 03:58:25 ID:DexkWZ/K0
トゥルルルルルル… 
トゥルルルルルル… 

なかなか出ないな、槌田のヤツ何してるんだ… 


二週間前。 
石塚は電話を待っていた。 
槌田からの電話、友人の槌田からの電話を待っていた。 
携帯電話は電源が入ったまま、じっと石塚の顔を見上げている。 
電話は石塚を待っていた。 
ひたひたとそれは近づく、電波は忍び寄る。 
トゥルルルルルル… 
トゥルルルルルル… 
電話は鳴り響く、石塚は電話を取る、電話は石塚に取られる。 
「おい、遅いじゃ…!」 
石塚は気づく、電話は知っている。 
青白い画面に浮かび上がるのは「非通知」の文字。槌田ではない。 
石塚は慌てて電話を切ろうと思う。ボタンを押そうと思う。 
電話の相手は許さない。 
電話の相手は語りかける。 

「 暗い、暗い、暗い、暗い、暗い 」 

石塚から血の気が引いた。 
この電話は普通のものではないと気づいた。 
石塚は電話を切った。 
同時に石塚の手首が切れた。 
石塚は痛みから叫んだ。 
傷口は滴る血で叫んだ。 

28 本当にあった怖い名無し sage160コピペ 2007/04/21(土) 03:59:55 ID:DexkWZ/K0
一週間前。 
石塚は電話を待っていた。 
槌田からの電話を待っていた。 
手首には包帯、滲むような痛みがまだ続いている。 
トゥルルルルルル… 
トゥルルルルルル… 
電話が鳴った、石塚はそれを取った、ボタンを押してから気づいた。 
また「非通知」の文字。 
急いで切ろうとする、だが電話の相手は許さない。 

「 痛い、痛い、痛い、痛い、痛い 」 

石塚は電話を切った。 
同時に石塚の足首が切れた。 
石塚は痛みから叫んだ。 
傷口は滴る血で叫んだ。 

29 本当にあった怖い名無し sage160コピペ 2007/04/21(土) 04:01:55 ID:DexkWZ/K0
三日前。 
石塚は電話を待っていた。 
槌田からの電話を待っていた。 
両手両足には包帯。 
ズキズキと耐えられない痛みが続いている。 
傷口がただれ、模様のようなものが包帯からにじみ出ている。 
時々、ふさがったはずの傷口が裂け、痛みが走る。 
そのたびに石塚は叫ぶ、痛みで叫ぶ。 
トゥルルルルルル… 
トゥルルルルルル… 
電話が鳴った。 
震える手で携帯電話の画面を覗きこむ。 
「槌田文也」の文字。 
石塚は今までのことを相談するため、ボタンを押した。 
フッと名前の文字が消えた。 
「非通知」に変わった。 
汗が吹き出た、また傷口が裂けた、血が流れる、包帯が赤く染まる。 

「 アハハ!アハハ!アハハハハハハ!アハハハハハハ! 」 

電話は笑った。けたたましく笑った。 
ビリビリと窓が震えるほどに笑った。 
石塚は耳を塞いだ。手がべったりと何かで濡れた。血、だった。 
鼓膜が破れた、耳からどくどくと血が流れた。 
石塚は叫んだ、聞こえない自分の耳は叫びを聞く事はなかった。 
電話になんとか血まみれの手を伸ばした。 
石塚は、電話を切った。 
同時に石塚の首が切れた。 
石塚の首は、落ちた。 
傷口は噴出す血で叫んだ。 

30 本当にあった怖い名無し sage160コピペ 2007/04/21(土) 04:03:07 ID:DexkWZ/K0
トゥルルルルルル… 
トゥルルルルルル… 


まだ出ないな、槌田のヤツ何してるんだ… 
石塚は携帯を血にまみれた手で握り締め、ただ槌田に電話をかける。 

ふと、電話が繋がった。 
槌田の声がした。 

「 暗い、暗い、暗い、暗い、暗い 」 

石塚は含み笑いを込めて、繰り返した。 
血まみれの体で繰り返した。 
石塚の周りからも声は繰り返されていた。 
何十人もの血まみれの人間達が、ただ電話をかけていた。 






トゥルルルルルル… 
トゥルルルルルル… 


槌田は電話を切った。