340 本当にあった怖い名無し New! 2006/11/25(土) 09:41:35 ID:OiRZsioh0
初めての書き込みです。
文章べたなのは許してください。

1.

父方の祖父が亡くなった時、2000年の話。
じいさんは俺が生まれる前から心臓に持病を持っており、
苦しんだ末に脳梗塞を引き起こして最後は眠るようだったらしい。
当時俺は大学生で実家を離れて県外で一人暮らしをしていた。
半年くらい前から長くは持たないと聞かされていたので、
心の準備はできていたのだが、やはりショックだった。
じいさんは読書が趣味で、谷崎潤一郎を愛読していた。
俺も読書は好きだったから、よくじいさんに谷崎を借りて
読んでいた。
古い全集で、旧仮名遣いで、じいさんの手垢がついてる本。
そんなレトロで時代がかった雰囲気が好きだった。

ばあさんが棺おけに「細雪」を一緒に入れた。
谷崎の中でも一番好きだったからだ。
俺は形見分けとして「痴人の愛」を貰った。


341 340 New! 2006/11/25(土) 09:42:55 ID:OiRZsioh0
2.

じいさんが亡くなって半年ほどたったころ、
夜寝付けなっかった俺は「痴人の愛」を読んだ。
すでに何度も読んでるから、適当に流していたのだが、
読み終えるころにはだいぶ明るくなっていた。
そろそろ寝ようと思っていたところに、親父から電話があり、
ばあさんが亡くなったことを知らされた。
寝たまま死んだようで、いわゆる大往生だ。
ばあさんは叔父夫婦と住んでいたのだが、
朝、叔母さんが様子を見にいったいたら冷たくなっていたそうだ。

それからまたしばらくして、そろそろじいさんの命日だなあ、
なんて思いながら、また「痴人の愛」を読んだ。
今度はしっかりと時間をかけて読んだ。
読み終わってから2時間ほどたった時、また親父から電話があった。
叔父さんが心臓発作で亡くなった。
俺はばあさんの時の事を思い出したが、偶然だと思った。


342 340 New! 2006/11/25(土) 09:43:50 ID:OiRZsioh0
3.

偶然だと思いながらも、俺はその偶然性を証明したくて
何度も「痴人の愛」を読んだ。
読み終わった後、数時間たったころに電話が鳴った。

簡単に纏めると次のようになる。
まずはばあさん(老衰)
次に叔父さん(心臓発作)
いとこの長男(叔父の娘の子供、交通事故)
別のいとこの子供(叔父の息子の子供、流産)
叔母さん(叔父の妹、親父の姉、脳梗塞)
最後に親父(心不全)

これらの親戚が1年半ほどの間に急死した。
もう偶然とは思えなかった。
父方の親戚は俺ら兄弟といとこ数人と叔母(叔父の妻)しか残っていない。
俺が「痴人の愛」を読むたびに親戚が死ぬ。
俺はじいさんにもらった「痴人の愛」を本棚の奥に
普段見えないように置いてある。
捨てたり、焼いたりも考えたが、どうしようもなく怖くてできない。
一応お払いはしてもらった。
このストレスで10キロくらいやせた。
(もともとデブだったからちょうどいいくらいだけど。)

じいさん、ばあさん、叔父夫婦がすんでいた大きな屋敷には
今、叔母さんが一人寂しく生活している。

そういえば、じいさんはこの叔母さんと仲が悪かったんだ。