342 本当にあった怖い名無し 2006/01/07(土) 21:58:50 ID:gugJaINWO
これは俺が厨房の頃国語教師から聞いた話

大学時代の話で、当時先生が片想いしてた子が登山サークルに
入ってたんだって。で、ある時彼女から面子が足りないから
参加してくれないかと頼まれたそうだ。先生は一も二もなく
飛び付いて、F岳登頂に加わったんだと。で、当日。素人だからと
少し心配していた先生だったが、他のメンバーのサポートもあり、
順調に登って行けたらしい。しかし7号目まで来たあたりで突如
空が曇り始め、いくらもしないうちにパラパラ小雨が降って来た。
一行は少し早いが今日は切り上げることにし近くの小屋
(1号目毎にある)に避難した。そんで食ってだべってしている
間に夜も更けていき、22時ぐらいに就寝の運びになったそうだ。
サークルの連中は流石慣れたものですぐに熟睡したが、先生は
そうは行かず、なかなか寝付けなかったらしい。しかもすぐ側には
憧れの彼女が無防備な寝顔を晒してすやすや寝息を立てているわけで。
そうやってしばらくぼーっと起きていると尿意を催してきたんだと。
で、小屋の外に出た。

348 本当にあった怖い名無し sage 2006/01/07(土) 22:23:41 ID:gugJaINWO
小屋の周辺では見られる可能性があるからと少し怖いが林の中に
入ってすることにしたそうだ。数分後用を足し小屋に向かって
歩いているといきなり小屋の方からドタバタと走り回る音や
甲高い悲鳴が聞こえてきたんだと。ギョッとして小屋まで走ったら、
中で何かが起きているらしく窓から逃げ惑う様子のメンバー達が
見えた。先生が窓に近寄って覗き込むと、中にメンバー以外の
何者かが侵入して彼等を追い回していたそうだ。暗かったがそいつ
だけ明らかに容貌が異様だったからわかったと言っていた。
全身真っ黒の毛むくじゃらで目が金色に光って赤い歯茎が
剥き出しになっていたそうだ。更に目を凝らすと床に倒れた人影も。
先生はあまりの恐怖にそのまま逃げ出しそうになったが漸く
踏み止まり、近くに落ちていた棒キレを持って扉に向かった。

354 本当にあった怖い名無し 2006/01/07(土) 22:38:19 ID:gugJaINWO
しかし扉は鍵がかかっている様子で押しても引いてもびくともしない。
焦った先生は窓に回りぶち破って入ろうとした。そのとき、
窓が中から打ち割れて誰かが外に吹っ飛んできた。駆け寄ってみると
あちこちから血を流しながら息もたえだえで
「××(片想いのコの名前)が…××が…」とうわ言のように
繰り返していた。それを聞いて先生ははっとした。そう言えば
さっきあの子の姿が見えなかった!先生は割れた窓に走った。
さっきまでの喧騒はいつの間にか止んでいた。小屋の中は
凄かったらしい。今でも時々夢に見るそうだ。あちこちに黒い血が
飛び散り腕だの足だのも散乱していたんだと。そしてその
ぐちゃぐちゃの真ん中にしゃがみ込むグロテスクな影が…

355 本当にあった怖い名無し 2006/01/07(土) 22:54:30 ID:gugJaINWO
ついさっきまで逃げ回っていたのに…先生はこの世のものとは
思えない状況に呆然自失して窓の側から動けなかった。目は背中を
向けて何かを咀嚼している怪物に釘付けになっている。そのまま
地獄の時間が流れ、怪物はついに振り返った。その形相たるや
形容を絶するほど凄まじく、それを見た瞬間先生は魔法が
解けたかのように走り出した。暗い林に向かって全速力で。
「ウオーッ」
もの凄い叫び声が聞こえてドサっと怪物が外に飛び出してきた音が
伝わってきた。先生はもう必死で涙涎垂れ流しで
「¢%##*′°∪⊥◇◎◎~!!!!」
とキチ〇イのようになりながら走ったそうだ。しかし怪物の気配は
間近に迫っている。絶望が脳裏をよぎった刹那、あることを
思い出した。雪男や熊に襲われた時は下に向かって逃げれば良いと
本で読んだことを。先生は林の斜面を飛び下りるように走った。
何度か転んだがすぐはね起きて走った。そのうち後ろの気配が
段々遠ざかって行った。だが先生はその後も足を止めずに
走り続け、なんと麓まで行ってしまったらしい。

356 本当にあった怖い名無し 2006/01/07(土) 22:57:54 ID:gugJaINWO
翌日警察隊が小屋に到着した時には怪物の姿はなかった。
メンバーは一人を除いて全員死亡が確認された。中には半分以上
ない人もいた。しかし、彼女だけは見付からなかった。
血も検出されなかったそうだ。その後今に至るまで行方不明
なのだそうだ。
まあ脱線話が得意な人だからどこまでホントかは怪しいが。