154 本当にあった怖い名無し sage 2006/10/16(月) 23:20:52 ID:TUJgP5nb0
妙々骨肉伝奇

禍々しい骸骨にも似た―――否、
是は最早 骸骨其の物で有る。
其の落ち窪んだ 眼球を滑らせて、
ワタシを睨む お前は誰だ。

鏡面世界、即ち未知の世界と云う物は、
多々取り上げられる題材で有る。
然し、其処は誰も見る事の出来ない、
何時までも 幻想泡中で眠る儘の存在だ。

扨、此処は檻でも常闇でも無い、
至極、普通の場所で在った筈で有る。
何故、此処で懼ろしさが込み上げては、
胃液と共に口腔に溜まるのだ。

156 本当にあった怖い名無し sage 2006/10/16(月) 23:23:17 ID:TUJgP5nb0
彼の様な骸と目を合わせ―――否、
縫い付けられて、の方が正しいか。
今は前進も、後退も出来なくなって、
唯唯 荒い呼吸をするばかり。

彼の名高い 相馬の古内裏が脳裏を過る。

狂えば狂う程 良く冴える脳髄で、
もう一度、鏡の中の骸を検証しよう。
此の落ち窪んだ 眼球を滑らせて、
恐々恐々、奴を睨んで見た。

あゞ 是はワタシだ、
ワタシ 自身なのだ。

詰まり、鏡の中が本物、と云う事―――、
ワタシの体肉は、偽物、と云う事―――、
骨が本物で、肉は偽物。

漸く、果てに辿り着いた。
さ、消えるとしよう。